残業のあと、夜に集中できないとき

残業のあと、夜に集中できないとき

22時40分、帰宅。着替えて、風呂を沸かして、23時10分に参考書を開きます。

23時25分、同じ行を4回読んでいます。23時50分、返しそびれていたLINEを見ています。0時20分、寝ます。

「今日はやった」でも「今日はやらなかった」でもない。いちばん後味の悪い種類の夜です。

そして翌日、同じ計画をもう一度立てます。今日は疲れていただけだ、と。

夜の自分は別人です。別人に合う予定を組む

朝に立てた「今日は帰ってから2時間」は、朝の自分が、夜の自分の時間を勝手に約束したものです。夜の自分はその会議に出ていません。

ここを直すのに意志は要りません。見積もりを直すだけです。22時40分に帰った日の自分にできることを、正直に一度書き出す。多くの人にとって、それは2時間ではなく25分です。

25分の予定は守れます。2時間の予定は守れず、守れなかった事実が翌日の分まで削ります。

22時以降にできること、できないこと

疲労は集中を一様に下げるのではなく、種類によって落ち方が違います。自分の週で確かめるのがいちばん早いのですが、出発点として。

夜でもできる 夜には向かない
手続きの反復(簿記の仕訳、単語、コードの写経) 新しい概念を初めて理解する
すでに始めた作業の続き 何から手をつけるか決めること
音声を聞く、軽く読む 時間を計った通し演習
明日の準備、机の片づけ 重要な意思決定、返事の要るメール

いちばん高くつくのは右上です。新しい単元を夜に開かない。 理解できないのは頭が悪いからではなく、時間帯が悪いからで、そこで折れると教材ごと嫌いになります。

新しいところは休日か朝の枠へ回して、夜は「もう知っていることを手に入れる」時間にしてください。

15分の置き手紙

疲れた夜にいちばん利回りが高いのは、勉強そのものではありません。明日の自分への置き手紙です。

15分でこれだけやります。

  1. 明日やることを一文で書く。 「第3章の演習を8問」。動詞と目的語で。
  2. 必要なものを机に出す。 参考書を開いて伏せておく。ノートとペンを置く。
  3. 10分だけ、今日の分に触る。 単語でも、昨日の演習の見直しでもいい。ゼロと10分のあいだには、10分より大きい差があります。

この15分は、明日の朝の最初の3分を買っています。朝いちばん高いのは、何をやるか決める時間だからです。

早く寝るのと、30分やるのと、どっちが得ですか

正直に書くと、この問いに答えられる研究を知りません。夜の勉強と睡眠を比べた良い実験は見当たりませんし、あったとしても、あなたの職場と通勤時間の条件では走っていません。

代わりに使える基準はあります。明日も同じことができるか。 30分やって翌朝いつもどおり動けるなら、その30分は黒字です。30分やって翌日の午後が死ぬなら、その30分は前借りで、しかも利息が高い。

一週間だけ試して、翌日の午前の出来をH・M・Lで記録してください。二日目には答えが出ます。

帰り道を勘定に入れる

家に着いてから始めようとすると、玄関から机までのあいだに、風呂と食事と洗濯物が待っています。

通勤電車の20分は、そのどれにも邪魔されません。座れる路線なら演習、立っているなら単語か音声。この20分は「余った時間」ではなく、その日いちばん静かな20分であることがよくあります。

家に帰ってからの2時間を数える計画をやめて、電車の20分を先に数えてください。すると、家では15分でよくなります。

残業が続いた週の扱い

一日の話ではなく、週の話にしてください。

火曜と水曜が終電で、木曜も遅い。この週に毎日を求めると、木曜の夜に「今週はもう駄目だ」が来て、金曜と土曜も落とします。

守るルールは二日続けて落とさないほうです。火曜を落としてもいい。火曜と水曜を落とさない。10分でも成立させて、間隔だけを守る。

そして日曜の夜に、その週の分数を見てください。1日単位では失敗続きに見えた週が、週合計では先週と変わっていないことがよくあります。残業の量が週によって倍違う仕事では、1日単位の指標は毎週嘘をつきます。

これが問題ではないとき

仕事量そのものが多いとき。 週に4日23時なら、集中の技術で解決する問題ではありません。夜の勉強計画を細かくするより、仕事のほうを一段動かすほうが効きます。この記事にできるのは、その状況で無理に自分を責めないことの推奨だけです。

睡眠が足りていないとき。 5時間睡眠が続いている月に、時間帯や区切りの話をしても順番が違います。先に睡眠、そのあとに勉強計画。

新しくて、続いている疲れ。 よく眠っても戻らない疲れは、タイマーの問いではなく医師の問いです。

そもそも机に向かえないとき。 疲労ではなく、始めるところが高すぎるだけのこともあります。その場合は15分ではなく10分から。始めるのがつらいなら区切りを短くする、が唯一の方向です。

今夜

風呂に入る前に、明日やることを一文だけ書いてください。それから机に参考書を開いて伏せて置く。

そのあと10分のタイマー。鳴ったら閉じて、寝る。


Fomodo は10分でも1日の目標として成立します。目標を分で持てるので、疲れた夜の10分と、休日の90分が、同じ帳簿に同じ形で入ります。その日のマスは、10分でも2時間でも同じように埋まります。

限界のほうも書いておきます。Fomodoは仕事量を減らせません。22時40分を21時40分にする力はありませんし、明日の会議も断れません。できるのは、帰宅後に残った時間を正直に数えることだけです。数えると、思っていたより少なくて、思っていたより毎日あります。

22時40分の自分に、朝の自分の予定を渡さないでください。

MT
Minh Trần

注意の科学と、集中ツールづくりについて書いています。

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