朝活:出社前の90分を、何に使うか
5時40分に起きました。えらい。
6時5分にはコーヒーを持って机にいます。6時40分にはメールを47件ぶん見終わっていて、7時に洗濯機を回し、7時20分に家を出ます。
朝活はしました。何も進んでいません。
早起きは容れ物です。中身を決めていなければ、その容れ物には、その場でいちばん近くにあったものが入ります。たいていは他人の用事です。
朝が守りやすいのは、生理ではなく「まだ誰も起きていない」から
朝の時間を勧める記事は、たいてい脳の話をします。朝がいちばん頭が働く、と。
一般則としては言い過ぎです。朝型・夜型の差は実在して個人差が大きく、6時に冴えている人もいれば22時に冴えている人もいます。自分がどちらかは、一週間の記録を取れば分かります。借りた説明より自分の記録です。
それでも朝を勧める理由は残ります。6時に誰もあなたを呼ばないからです。 会議も、上司の質問も、取引先の電話も、家族の相談も、その時間には存在しません。守るのにコストがかからない90分は、一日にそこしか無いことが多い。
つまり朝活は生理の話ではなく、枠を先に存在させる話の、いちばん簡単な入口です。
入れていい作業、入れてはいけない作業
判定はひとつ。その作業は、他人の返事を待たずに終わるか。
| 入れる | 入れない |
|---|---|
| 資格試験の演習、読む・書く、企画の下書き、コードの難所 | メール、チャットの返信、資料の共有 |
| 昨日の続きで、最初の一手が決まっているもの | 何から手をつけるか決まっていないもの |
| 手を動かせば進むもの | 誰かの承認で止まるもの |
メールを朝いちばんに開くと、90分のうち平均して何分持っていかれるかは分かりません。分かっているのは、いったん開くと戻ってこないことです。返信は、通勤中でも昼休みでもできます。90分の集中は、昼休みにはできません。
前の晩の3分
朝活が失敗するのは6時ではなく、前の晩の23時です。決まっていないことが多すぎるまま寝るからです。
寝る前に3分、これだけ。
- 明日の朝やることを一文で紙に書く。「第3章の演習を8問」。「勉強する」ではない。
- 机の上に、その一文と、必要なものだけを出しておく。参考書を開いた状態で伏せておくと、朝の摩擦がさらに数秒減ります。
- スマホを別の部屋で充電する。 目覚ましは1,000円くらいの時計で足ります。
3番だけでも効きます。枕元にスマホがある朝は、起きた直後の10分がすでに他人のものになっているからです。
何時に起きればいいですか
いま起きている時刻の30分前から始めてください。90分を確保するために2時間早く起きる計画は、三日目に睡眠を削り、四日目に崩れます。
睡眠を削って作った朝の時間は、朝から借りたのではなく、その日の午後から借りています。返済期限は同じ日の15時ごろに来ます。
一週間の形
毎日90分は、最初の失敗です。実際の平日と接触して残るのはこの形です。
| 曜日 | 朝 | 中身 |
|---|---|---|
| 月 | 25分 | 軽く。週の最初は起きること自体が仕事 |
| 火 | 60分 | いちばん進めたいもの |
| 水 | 25分 | 火曜の続きを、短く |
| 木 | 60分 | 火曜と同じ場所、同じ中身 |
| 金 | — | 寝る。金曜の朝活はほぼ全員が失敗します |
週に2時間50分。冒頭の「47件のメールを見た朝」より、2時間50分多い。
火曜と木曜を同じ時刻・同じ場所にするのが要点です。同じであることが、決定の数を減らします。
通勤電車を勘定に入れる
自宅の90分と、通勤電車の25分は別の道具です。
電車で読める資料、単語、聞き流せる音声は、そもそも家の机の90分に入れないでください。机でしかできないもの——書く、解く、考える——を机に残して、運べるものは運ぶ。それだけで実質の朝活が20分伸びます。
乗換が2回あって座れないなら、それは勉強時間ではありません。無理に予定へ入れると、守れない予定がひとつ増えるだけです。
朝活が向かないとき
夜のほうが冴えているとき。 二週間試して、朝の出来がいつも夜より悪いなら、あなたは夜型です。朝を諦めて、夜の1時間を守るほうへ回してください。無理に朝型へ矯正して得るものは、たいてい睡眠不足だけです。
残業が続いている時期。 23時30分に帰る週に5時40分は組めません。この週の正しい朝活は「ゼロ」で、それは失敗ではなく判断です。
小さい子どもがいる、介護がある、交代勤務。 朝が自分のものではない人がいます。その場合の90分は昼休みや別の時間帯にあり、朝にこだわる理由はありません。
そして、三日休んだから終わり、とは考えないでください。連続記録を守る対象は数字ではなく間隔です。火曜を落としても、木曜に同じ時刻で座れば形は残ります。
明日の朝
今夜、寝る前に一文だけ書いてください。明日の6時にやることを、動詞と目的語で。
スマホを別の部屋へ。そして、90分ではなく25分でセットする。
Fomodo は朝の枠をタイマーとして持てますし、ウィジェットから1タップでその25分を始められます。起きた直後にアプリを探す数十秒は、朝いちばん高い数十秒だからです。
はっきり書いておくと、Fomodoは目覚まし時計ではありません。あなたを起こす機能はありませんし、今後も入れるつもりはありません。起きる部分は、この記事でいちばん難しくて、いちばんアプリの担当外です。
早起きは容れ物です。中身は今夜の3分で決まります。